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2009年7月

2009年7月27日 (月)

◎ 海でトリップ

□「常滑フィールド・トリップ2009」という企画が現在、進行中である。「地域と創造」をテーマにアートやデザインなどを軸とした展覧会やシンポジウム、ワークショップが開催される予定だ。常滑の焼き物工場跡や空き家、空き地等を利用して20数カ所が会場として設定されている私たちの展覧会は、10月の開催に向けて着々と準備が進められている。
その実行委員に地元のヨットクラブに所属している人がいて、7月19日、体験乗船会に誘われて、展覧会に出展するメンバーのうち11名が参加した。
風の力で静かにゆっくりと進む小さなヨット。舳先に立ち、波に揺れ、しぶきを浴びながら全身で潮風を受ける気持のよさ。いつしか、私の頭の中では伊勢湾を抜け出て、まわりには島も陸も見えない大海のただ中をすすんでいる。海図もコンパスもなく、古代の人のように太陽と星を頼りに船をはしらせる。幾日もまわりに何もない海原にいると進んでいるのか止まっているのかさえ分からなくなる。海と大気の中で時間も空間も意識も溶けて、自分が消えて行く。波や風と一体化した瞬間、目的地は消え去り、大きな循環のただ中に没入して行くのだ。
そんな妄想から我にかえると、ちょうど半島と空港島(セントレア)を結ぶ橋の下を通り抜けるところだった。
約2時間の体験乗船、「常滑フィールド・トリップ2009」の企画準備や作品制作に追われる忙しい日々の中で、何もしないでゆったりと、身も心も波に預けていられたことが私にとっては極上のひとときであった。

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2009年7月23日 (木)

◎ 庭の住民

□今日は、電気工事店に行った。空き家に仮設で電気を通すことにした。10月の展覧会で電気が必要になる可能性があるため早めに手を打ったということと、展覧会までの約2ヶ月半という期間、その場に滞在できる時間を増やすためだ。夜の照明、パソコンの電源など何かと必要となる。お湯を沸かしてお茶やコーヒーもいれて飲みたい。ゆったりとした時間をそこで過ごしたい。窓を開ければ草の生い茂る広々とした庭の眺め。
庭の植物は、少しずつ増えてきている。日々、草を見ていると、それらの名前をほとんど知らないことがわかった。名前を知るために「野草・雑草図鑑」を昨夜ネットで注文した。
虫も増えてきている。今日は、なぜかイモ虫や毛虫が一斉に姿をあらわした。一体どこに隠れていたのだろう。季節の巡りの中で、規則正しく彼らはその姿を変えて行く。もうしばらくすれば、どこかの場所でサナギとなり、羽化して蝶や蛾となって飛んで行くのだ。
昆虫図鑑も欲しくなった。

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2009年7月22日 (水)

◎ 庭しごと

□梅雨も開け、日照りの厳しい毎日。除草処理の施された庭では、雑草も水を与えなければ思うようには育ってくれない。なにぶん空き家を利用しているので、水道も電気もガスも止まっている。庭の雑草に水をやるために水道を通した。ホームセンターで水撒き用のホースを購入。20mで¥1980。午前中は、水を撒く毎日だ。広々とした庭に水を撒いていると、濡れた土の上をアリやバッタ、丸虫などがせわしげに動き始める。蝶に蜂、アブも飛んでくる。
広々とした庭一面に雑草を育てているのだが、その庭の中央に緩やかなS字カーブを描く一本の小径を作り、門から家の玄関までを結ぶ。小径には草が生えないように、小さな芽も抜いている。草の原のあいだを通り抜ける通路ができあがる。門を入り、小径を通り、家の玄関へとたどり着く。今は誰も住んではいない、がらんとした空間。空き家になって約1年。この土地が売れてしまえば取り壊されることになっている家だ。その中をどのように表現するかを今、思案中だ。
日々の庭しごとの最中には、様々な事柄が頭の中に浮かんでは消える。夜、パソコンに向かって、そのとき考えていたことをブログに書き連ねようとするのだが、何かを思索していたという記憶はあってもその内容を思い出すことができない。庭では、草むらの中、豊かな思索とイメージが膨らみ心地の良い時間を過ごしていたというのに、ここではブログに打ち込まれた貧しい言葉の次の空白を埋める言葉さえ探しあぐねている。
空き家に椅子と机を持ち込むことにしよう。それで、庭でのあふれる言葉とイメージをうまく書き留めることができればいいのだが。

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2009年7月11日 (土)

◎ 庭の工夫

□周辺では、雑草が青々と旺盛に茂っているのだが、私の借りた庭にはなぜかあまり草が生えていない。よく見ると焼き物を細かく砕いた砂利のようなものが一面に敷き詰めてある。足下のそれをすくいとってみるとさらにその下にもっと細かい砂状のものがあらわれた。スコップで掘ってみると約10cmほどの厚みの層ができていた。念入りな除草処理が施されていたのだ。それを見た途端、庭一面に雑草を繁茂させようと想い描いていたイメージは瞬く間に消え去ってしまった。しかし、ゆっくりと庭を見渡してみると、塀際とか家の壁際など湿気を保ちやすい場所で背を伸ばしている雑草の姿が目にとまる。よく見れば、庭のところどころに小さな芽が生えだしているのも見ることができる。家の縁側に座って、じっと庭を見ていると、梅雨の雨をたっぷりと吸い込んだ後には爆発的な勢いで一気に庭をおおいつくしてしまいそうな気配が感じられるのだった。

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2009年7月 8日 (水)

◎ 家と庭

□広い庭付きの家を借りた。といっても、そこに住むわけではない。常滑フィールド・トリップ2009というアートやデザインなどを主とした展覧会の会場のひとつにするためだ。庭では雑草を育て、一面を背丈ほどもある草で埋め尽くしたいと考えている。しかし、その庭は、雑草の生えにくい処理がしてあるため思うようには草は生え出てこない。他所の庭では雑草を駆除することに苦労しているというのに、こちらはその逆だ。雑草を茂らせるなどというと一様に怪訝(けげん)な表情をされる。それにしても、こんな酔狂な話に呆れもせず(本当は呆れていたかもしれないが)、家と庭を貸してくださった大家さんには、感謝である。美しい庭に仕上げ、10月の展覧会にはぜひともお招きしたいものである。
少し古くなってしまったが、ところどころ雑草が顔を出しはじめた5月に撮影した、この家と庭の風景の写真を紹介しておこう。

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